【第2回】プリトヴィツェ湖群国立公園 | 宝石のような16の湖が連なる世界遺産

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今回の撮影の舞台はヨーロッパでも東側に位置するスロベニア、クロアチア、ボスニア、モンテネグロという国々。日本政府観光局の統計によれば日本人がヨーロッパに旅行にいく場合、2017年5月時点ではイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの順で人気となっており、今回私が行った国に訪れる日本人はまだまだ少数ですが、だからこそあまり知られていない絶景と出合えるのです。連載2回目となる今回は、スロベニアからクロアチアに移動し、世界遺産の湖を撮影します。

「プリトヴィツェ湖群国立公園」へ

 Mala Osojnicaからの下山後、すぐに第2の撮影ポイントであるクロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園に向かいました。

 ブレッド湖からプリトヴィツェ湖群国立公園までは約300㎞。オブレジェ(Obrežje)での国境のパスポートチェックを除けば、車で約3時間の道のり。1時間ごとに休憩所で休憩を取りながら、安全第一で南下し、午後6時前の到着を目指します。のんびりしすぎのように感じるかもしれませんが、海外での撮影の際は、スケジュールの優先よりも安全を第一にします。

 安全第一といっても色々な側面があります。危険運転をしないというのは当たり前ですが、時間に余裕を持って急がないこと、運転中に眠気や疲労感が出ないようにしっかり睡眠をとること、運転前の行程をしっかり練って疲労が蓄積しないようにすることなど、様々なことを同時にコントロールして安全を確保します。

 眠気や疲労感を我慢して運転すると事故のリスクが高まることに加えて、さらなる疲労を産み目的地に到着したときに必要な撮影のモチベーションに悪い影響を与えます。

 それでも万一に備え、レンタカーを借りるときには「フルカバー」の保険に入っています。不慮の事故に会う可能性はゼロにはなりませんが、フルカバーの保険に入っておくことで、事故の際の長時間に渡る難しい交渉からは解放されす。

 ヨーロッパでも主要な高速道路にはサービスエリアがありますから安全運転ができなくなりそうだと感じた時点で、すぐにサービスエリアに入って、美味しいデザートを食べましょう。必要に応じて仮眠も取ります。

 さて、国境を抜けて再びクロアチアに入りザグレブ近くのサービスエリアを通過してさらに二時間ほど南下するとプリトヴィツェ湖群国立公園に到着します。プリトヴィツェ湖群は南北8㎞もの距離で縦長の形をしており、その途中に東西を結ぶ車道がない構造になっているのが特徴です。

このような地形と景観なので東西を結ぶ車道はありません

 ただし湖群の中には東西を結ぶ遊歩道があり、水深が深いところでは船も出ているため、移動の自由度は高くなっています。西側は駐車場やホテルが集中するエリアとなっており、私が宿泊するホテルも東側にあります。東側には南北に3つのバス停(St1からSt3)があり、船もバスと同じく園内の共通パスで自由に乗り降り可能です。ただし午前9時を過ぎたあたりから行列ができるので、数回見送らないといけないこともあります。

お昼時の水上バスの乗り場は長蛇の行列

 自分のレンタカー、これらの乗り物、遊歩道の流れ、ホテルの位置、撮影ポイントの位置などの全体像を頭に入れた上で、翌日に確実に撮影ポイントを最短の時間で撮影出来る作戦を練ります。バス停や船がどこを通っているのかも含めた公園の全体像のマップは、ほぼ確実にホテルにもありますし、チケット売り場でも貰えますので、確保しておきましょう。

 今回私が撮影したいポイントは西側にあるため、東側から遊歩道を渡って西側に移動し、そこから心臓破りの階段を登ってRooms Villa Nenaという宿の近くに出た後に、分かりにくい展望エリアに向かう道を通過して行く方法と、Rooms Villa Nenaの近くまで車で来てしまって、そこに車を駐車して一気に展望エリアに向かう方法があります。これは先人のブログで知りました。

 当然、後者の方が楽なので、今日は日が落ちる前にRooms Villa Nenaのエリアまでいって、状態を確認することにしました。

 湖群の北端で道路が左右に分岐しているので、西側にいくためにホテルとは反対側の道を進み、山を越えていったさらにその先に目印にしていたRooms Villa Nenaがありました。ただ、公共の駐車場はなく、このRooms Villa Nenaの近くに路上駐車をすることになるため、私が管理できるリスクの範囲を越えているように思いました。もしRooms Villa Nenaに宿がとれれば、宿の駐車場に駐車できるので、ベストだったかもしれません。

 私が撮影中に路上駐車で警察にロックをかけられたり、レッカー車で連れてしまっていったら、撮影プランの全行程が破綻します。ということで、先人が経験していたとしても、自分がとれないリスクだと判断すれば、自分だけの最適な解を現地で探すことになります。

 日が暮れてきたので、この日は再びプリトヴィツェ湖群国立公園の北端まで戻り、そこからホテルや公園のメインエントランスがある、東側に進みます。だいたい10分ちょっとで今日の宿となるPlitvice Miric Innに到着しました。

外観がかわいらしい宿。駐車場はとめやすいです

 前日に予約した宿としては本当に美しく、素晴らしいホテルで、駐車場もとめやすい広さでした。近くのレストランで食事をする予定でしたが、フロントの方からここにもレストランがあるということで、今日はもう移動はせず、このホテルで夕食を頂くことにしました。

席は庭園の真横でリラックスできました

 地元でしか食べられない料理をお願いしたところ、これがとても日本人の口に合う味のものばかりで、特にプリトヴィツェ湖でとれるお魚の料理は白身が美味しく、元気がでました。この段階でもまだ午後8時くらいでしたので、明日の作戦をじっくり練ることができました。

正直見た目はイマイチな麺なれど、意外と美味
サラダはとても新鮮でおいしいです
プリトヴィツェ湖でとれたお魚だとか
かなりお腹いっぱいでしたが、食べやすいナッツ風の味

 この日は作戦を立てるだけでなく、明日の宿泊地も決めなければなりません。明日はプリトヴィツェ湖をお昼過ぎに撤収し、明後日にはクルカ国立公園の北端にあるロスキースラップを撮影しますので、ロスキースラップにある宿「Hotel Roški slap」に予約を入れました。新しい宿で2017年8月現在もGoogle Mapsで引っかからないので、ナビでは自分で近くを目標地に設定する必要があります。またロスキースラップには撮影禁止エリアがあり、そちらの撮影許諾申請も日本にいるときに申請をしておきました。

 さて、明日の準備も万端に整えたところで就寝。今日はドライブが長く疲れましたが、休憩を適切に挟んできたため、疲労をコントロールできました。

美しく快適な客室。作業スペースにできるデスクがあることが重要です
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