カップヌードルミュージアム 横浜の見どころや予約方法を紹介!楽しみながら発明・発見のヒントを学べます

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世界中で愛されているインスタントラーメン。「カップヌードルミュージアム 横浜」は世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した日清食品の創始者・安藤百福氏が大切にした「クリエイティブシンキング=創造的思考」を体感できる体験型食育ミュージアムです。「チキンラーメン」や「カップヌードル」の手作り体験や、世界の麺料理を食べられるフードアトラクションなど、子どもから大人までワクワク過ごせる施設です。今回は「カップヌードルミュージアム 横浜」の楽しみ方や施設内容、予約方法などを詳しくレポートします。

カップヌードルミュージアム 横浜とは

 

2011年9月に誕生した、カップヌードルミュージアム 横浜。大空間が広がる5階建ての建物内は、インスタントラーメンに関する展示・体験コーナーで埋め尽くされています。各階に楽しいアトラクションがあり、見て・触れて・楽しみながら、発明・発見のヒントを学べます。

総合プロデュースは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当し、美しさとワクワク感、さまざまな驚きとの出会いを楽しめる空間になっています。それではさっそく、各アトラクションの魅力を探っていきましょう!

インスタントラーメンの歴史を巡るエリアへ

まずはインスタントラーメンが誕生した歴史を紐解く展示エリアに行ってみましょう。ここでしか見られない貴重な展示や秘蔵資料など、創業者・安藤氏が持っていたクリエイティブの源流に触れられます。

 

・世界各国のパッケージが揃う「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」

1958年に安藤氏がチキンラーメンを発明したことで始まった、インスタントラーメンの歴史。今や世界各国でさまざまなインスタントラーメンが作られ、1年間に世界中で1,182億食食べられているといわれています(2021年世界総需要・世界ラーメン協会推定)。

「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」では、「チキンラーメン」から始まったインスタントラーメンの変遷をパッケージで表現しています。時代とともに移り変わるチキンラーメンのパッケージや、日本だけではなく世界各国のパッケージなど、合計約3,000点が並ぶ様子は圧巻!また余談ですが、コンビニの普及によってインスタントラーメンの商品数が拡大した歴史があるそうですよ。

天井まで赤い「百福シアター」(画像提供/カップヌードルミュージアム 横浜)では、安藤氏の生涯を「MOMOFUKU TV」と題したCGアニメーションで伝えています。安藤氏の「クリエイティブシンキング=創造的思考」の原点となる「6つのキーワード」がわかりやすく紹介されていますよ。所要時間は約14分で、座って落ち着きながら楽しめます。

 

・チキンラーメンはここから生まれた「百福の研究小屋」

「百福の研究小屋」は、チキンラーメンが誕生した研究小屋を再現した空間。この小屋で研究に没頭する以前の安藤氏は、信用組合の理事長をしていました。しかし信用組合が破綻し全財産を失います。

そのころ、戦後の闇市で人々が並んでまで食べていたラーメン屋台を思い出し、「お湯さえあれば家庭ですぐに食べられるラーメンを作ろう」と思い立ったことが始まりです。

自宅の敷地の裏庭に建てた小屋で研究を始めます。1日平均4時間という短い睡眠時間で丸1年間休みなく研究を続け、チキンラーメンが誕生しました。

この研究小屋には、「たとえ特別な設備がなくてもアイデアがあれば、ありふれた道具だけで世界的な発明が生み出せる」というメッセージが込められています。

・楽しみながら考える力を育てる「クリエイティブシンキング ボックス」

創造的思考を大切にした安藤氏。「クリエイティブシンキング ボックス」では、6つのボックスが用意され、それぞれのエリアにある展示を楽しみながら、発明や発見のヒントを見つけられます。

ひとつ目のボックスは「まだないものを見つける」。暗い空間に映像が映し出されているボックスで、「あったらいいな」を見つけることが発明のヒントになることを伝えています。

洗濯機がなかった時代は、洗濯物は洗濯板を使って洗っていました。「もっと楽に洗濯できたらいいのにな」という人々の思いから生まれたのが洗濯機。チキンラーメンも「おいしいラーメンを家庭で手軽に食べられたらいいな」という思いから生まれたものですよね。パントマイムを使った展示なので、小さな子どもや日本語がわからない外国の方でも楽しめるスポットです。

「なんでもヒントにする」のボックスでは、映し出されているイラストをタッチすると、何からヒントを得て生まれたかの映像が表示されます。

たとえばカップヌードルは、安藤氏がアメリカへ出張した際に訪ねたスーパーマーケットの担当者たちが、紙コップに小さく割ったチキンラーメンを入れ、お湯を注いでフォークで食べていたことから着想を得たそうです。

タッチするとそれぞれの発明の鍵が出てくるので、クイズ感覚で楽しめるスポットですよ!

次は「アイデアを育てる」のボックスです。チキンラーメンの特許を取得した安藤氏は、一社だけが儲けるのではなく、インスタントラーメン産業全体が盛り上がっていくことが大事と考えていました。

1本の杉が大きな森となり、業界全体が豊かになるようにアイデアを育てていく。そのようなイメージが表現された光と影のコンテンツです。

天井に浮かぶ白いオブジェ「タテ・ヨコ・ナナメから見る」は、一見、近代アートのよう。実は違う角度から眺めてみると新しい発見ができます。いろいろな場所から見てみると「creative」「happy」「unique」「global」といった英単語が見えてきますよ!ぜひチャレンジしてみてくださいね。

画像提供/カップヌードルミュージアム 横浜

5つ目のボックスでは、小さな穴の上に「どのカップヌードルが1番大きいでしょう?」という問題が出されます。穴から覗いて見るのと、実際に部屋に入ったときでは、印象が大きく違ってビックリ!訪れた人と一緒にワイワイ楽しめるアトラクションです。

創業者の安藤氏をはじめ、最後まであきらめずに偉業を成し遂げた人物たちと記念撮影できるスポット。チキンラーメンを開発した安藤氏は、年齢を重ねても製品開発への意欲は失いませんでした。宇宙食の開発を宣言したのは、なんと91歳のときなんですよ!

見事、2005年7月に宇宙食ラーメン「スペース・ラム」は、宇宙へと旅立ちました。数々の困難があってもあきらめずに開発を続け、地球から宇宙まで対応する「インスタントラーメン」という食文化を作りあげたのです。

壮大なインスタントラーメンヒストリーを思いながら、偉人たちと一緒に写真を撮ってみてはいかがでしょう。

画像提供/カップヌードルミュージアム 横浜

安藤氏の生涯を辿る全長約58mの大パノラマ展示「安藤百福ヒストリー」。辿っていくとクリエイティブシンキング ボックスの6つのキーワードとリンクする内容もあって、とても興味深かったです。やや高い位置には大人が読んで楽しめるよう文字情報が多めになっており、子どもの目線付近には、わかりやすいイラストが描かれています。

・遊び心いっぱいの「CUPNOODLES “B-”COASTER

カップヌードルミュージアム 横浜の建物を出て左側、国際大通り側のショーウインドウにある「CUPNOODLES “B-玉”COASTER」も、見逃せないスポットのひとつ。4,000個のビー玉が、工場をイメージしたコースを滑走します。

ビー玉が中央のカップヌードルのカップにたまると、約3分ごとにカップが横に傾き、ビー玉が一気に放出される様子が見どころです。賑やかな動きがとても楽しく、ずっと見ていても飽きないスポットですよ!

入口付近の足元には「ひらめきは執念から生まれる。」という安藤氏の言葉が刻まれていました。ほかにもいくつかのメッセージがあったので、ぜひチェックしてみてくださいね。内側だけではなく、外側にも楽しい工夫を凝らしたカップヌードルミュージアム横浜。街の中にポツリと遊び心にあふれたスポットがあると、心があたたかくなりますね。

カップヌードル&チキンラーメン手作り体験にチャレンジ

「カップヌードルミュージアム 横浜といえば、コレ!」というほど人気なのが、自分でデザインしたカップに、好きなスープと具材を選んで世界でひとつだけのカップヌードルを作れる「マイカップヌードルファクトリー」と、小麦粉をこねる工程からチキンラーメンを手作りできる「チキンラーメンファクトリー」。さっそくトライしてみましょう!

・オリジナルカップヌードルを作ろう

最初に自動販売機で中身が空のカップヌードルのカップを、購入します。カップにはフタが付いているので、取らないようにしましょう。次に手を消毒します。消毒が終わったらデザインテーブルに誘導されます。

デザインテーブルについたら、製造年月日に体験した体験当日の日付を記入します。1カ月後が賞味期限となるそうですよ。

次はテーブルに置いてあるペンでイラストなどを描いていきます。かわいいイラストを描いて、自分だけのオリジナルパッケージに仕上げてみてください。

ちなみに描くスペースは赤い横ラインの内側。底やカップのフチ部分には描かないようにしましょう。自分の持ってきたペンやシールなどを使うのもNGです。

カップのデザインが完成したら、トッピングカウンターへ!カップをカウンター内にいるスタッフに渡すと、麺の上にカップをのせてセットしてくれるので、レバーを矢印の方向に6回回します。麺にカップをかぶせて反転させることで、カップの中に麵がすっぽりと入っていく様子が見られます。

「普通にカップの上から麺を入れたほうが、時間短縮なのでは?」と思った方もいるかもしれません。これが、安藤氏が悩みに悩んだ末ににひらめいた「逆転の発想」。カップの上から麺を入れると中で麺が斜めになったり、ひっくり返ってしまうことがあります

そこで発想を転換し、麺の上にカップをかぶせ反転させておさめる方法が発案されたのです。この方法により、工場での大量生産が可能となりました。自分でレバーを回しながら麺がおさまる様子を見ることで、当時安藤氏が感じたひらめきを追体験できそうですね!

麺が入ったら、いよいよ好きなスープや具材を選びます。スープは定番のカップヌードルのほか、カップヌードルカレー、シーフードヌードル、チリトマトヌードルから1つ、具材は12種類の中から4つを選びます。味の組み合わせはなんと5,460通り!ちなみに一番人気は、とてもかわいい「ひよこちゃんナルト」とのことです。

ここから先は、包装される工程をワクワクしながら見学。こちらは接着剤を使わずに熱と圧力だけでフタを密閉している様子です。

熱を加えることでフィルムが収縮し、ぴったりと容器を包装できる「シュリンク包装」を施します。思ったよりも素早く包装されてビックリでした。

その後はエアパッケージの中央にカップヌードルをおさめ、空気入れでエアパッケージを膨らまします。空気を入れたらコロンとしてかわいくなりましたよ。オリジナルのデザインに、お好みの具材とスープ、かわいい包装で、お土産にぴったりですね。

なお体験するには、当日先着順の整理券を受け取るか、「ローソンチケット」から時間指定の前売券「マイカップヌードルファクトリー利用券つき入館券」を購入する必要があります。待ち時間なしでスムーズに体験したいなら、前売券の購入がおすすめです。

予約なしで行く場合は、公式サイトで確認できるアトラクションの混雑状況を目安にして訪れましょう。

・チキンラーメンも手作りできる!

マイカップヌードルファクトリーの隣りにある「チキンラーメンファクトリー」。チキンラーメンを手作りできる工房です。

まずは席について、エプロンとひよこちゃんのバンダナを着用しましょう。準備ができたら、作り方の説明ビデオで手順を確認します。

小麦粉をボウルに入れて中央に凹みをつけ、その部分に練り水を入れます。色が黄色くなるまで混ぜ合わせましょう。

混ぜた粉を丸くまとめたら「麺うち台」にのせて、麺棒でおさえていきます。麺棒は転がさず、上から体重をかけて「おさえる」のがポイントです。

約1cmの厚さまで伸ばしたら、半分に折って再び麺棒でおさえます。この工程を3回繰り返します。繰り返すたびに強い力が必要になりますが、これもおいしいチキンラーメンのためです!

次は麺の厚さを整えるため、製麺機に生地を通します。最初はそのまま通しますが、2回目以降は半分に折って、生地がつながっているほうを下にして通していきます。ハンドルを回すと麺が出てきて、楽しみながら麺が整っていく工程を見られますよ。

同じ作業を10回繰り返し、仕上げに4回通して生地の形を整えたのち、袋に入れて熟成させます。

熟成後は製麺機のモードを切り替えて、4段階にわけて生地を薄くのばしていきます。徐々に生地が薄く長くなっていくので、トレイに落ちてくる麺の重なりが増えていく様子が美しかったです。

急がず、焦らず、一定の速度でハンドルを回すことが、おいしくするコツだそうですよ!

次は1mm以下の薄さになった生地を、麺に切り出す作業。ハンドルを回す人と、麺をハサミで切る人にわかれて作業します。麺はトレイの長さを目安に、20cmほどにカットしていきます。カットした麺を、はかりにのせて100gずつにわけ、自分のエプロンに付いた番号と同じザルに入れておきます。

スタッフが手もみをして麺にウェーブをつけたのち、蒸してくれます。蒸し終わったらボウルに麺を入れてゴマ油をかけ、よくほぐしていきます。指を立てて横に振るようにほぐすのがコツなんだとか。

最後に味付けスープをかけて、10秒間で手早く全体に馴染ませるように混ぜたら味付け工程は完了です。

味付けした麺を丸い型にふんわりとのせると、スタッフが揚げてくれます。揚げる際の網状のフタ部分は、チキンラーメン特有の“たまごポケット”を作れるように、中央が麺に向かって凸型になっていましたよ。

ちなみにチキンラーメンの開発時に、安藤氏が一番苦労したのが味付けした麺を常温で長期間保存するための乾燥方法。さまざまな乾燥方法を試していたある日、安藤氏の奥様が天ぷらを揚げていた姿を見て、油で揚げることで麺を乾燥させる「瞬間油熱乾燥法」のアイデアが生まれました。

体験の最後には、「瞬間油熱乾燥法」で麺を揚げる工程をガラス越しに見られます。ジュワジュワと音を立てる豪快さと油の踊り具合に、思わず驚いてしまいました。「チキンラーメンは材料も工程もシンプルだから、家庭でも真似できそう…」なんて思っていましたが、家庭ではできないダイナミックな調理工程でした。

揚がった麺は、私たちが知っているキツネ色のチキンラーメンになっていましたよ。生地の熟成時間などにイラストを描いたパッケージに入れてもらい、シールをしたら完成です。

お土産として、自分で作ったチキンラーメンと、工場で作られたチキンラーメン、さらにひよこちゃんがかわいいバンダナまでいただきました!

ちなみに「チキンラーメンファクトリー」は、2人1組のペアで体験。小学校1~3年生の子どもは、必ず中学生以上の方とペアで体験する必要があります。1人での申込みはできないので注意してくださいね。事前予約は公式ウェブサイト、または電話で受付しています。

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