船の科学館体験レポ。リニューアル休館中でも無料で楽しめる見どころがいっぱい!

  • 5941 |

東京・お台場にある「船の科学館」。1974年(昭和49年)に開館して以来、海と船を通じて海洋への理解を深めるためにさまざまな展示や活動を行っています。現在はリニューアル準備のために本館の展示公開を休止していますが、入場無料で屋外や別館での収蔵品展示を見られるほか、定期的に各種イベントや体験学習などの企画が開催されています。また、南極観測船「宗谷」の実物展示も見逃せません。家族で楽しめるスポット、船の科学館を取材してきました。

「本館」は現在リニューアル準備中

遠くから見ると船が停船しているように見えるこの「本館」の建物は、約6万トンの大型客船をモチーフにしています。現在はリニューアル準備中のため、本館の展示公開は休止しています。

本館の中は見ることができませんが1階のロビーのみ開放しているので、「別館」や「宗谷」を見るために通り抜け可能です。また、本館1階にあるトイレは一般来館者も使用できます。

今回の取材は、一般の見学者が入ることのできないこちらの本館にある会議室で学芸員の方にお話を伺うことができました。

こちらの「入場券うりば」は現在使われていないのでご注意を。

「別館」の収蔵品展示

2011年より「本館」がリニューアル準備として展示公開を休止しているため、現在は「別館」で船の科学館の収蔵品の一部を見ることができます。日本海軍の艦船模型や、南極観測船「宗谷」についての展示の他、日本の海に関する各種映像や展示品が公開されています。

こちらが「別館」の入口。入場は無料です。

「日本海軍の艦船」コーナーには、戦艦、巡洋艦、空母等、700分の1の艦船模型が166隻展示されています。

太平洋戦争中に「特務艦」として戦争に参加し、測量や運搬を行っていた頃の「宗谷」の姿もあります。

「宗谷」の歴史などがパネルで展示されています。

「宗谷」に関する展示コーナー。乗組員が実際に使用したカメラも。

館内では、絵本の読み聞かせイベントなども不定期で開催されています。

屋外展示も充実

船の科学館の屋外展示エリアには、潜水調査船や大型スクリュープロペラ、戦艦の主砲、灯台など、海洋に関連する科学や歴史についての展示物が多数公開されています。また、「体験教室プール」では5~7月、9月、10月にカヌーの操船体験やセーリングカヌー乗船体験などが開催されています。なおこちらの体験教室プールは2016年の場合なので、開催日の詳細は船の科学館へお問い合わせください。その他にも休憩できるスペースがあるので、子供連れの方も安心して楽しむことができます。もちろん、屋外展示も閲覧無料です。

手前が、深海潜水艇「PC-18」のレプリカ模型。奥に見える球体の船が、小型潜水調査船「たんかい」です。

こちらは、超電導電磁推進船「ヤマト1」に搭載された「超電導電磁推進装置」の展示。磁場を利用し、海水を後方へ押し出すことで船を進める仕組みです。

こちらの巨大な「大型スクリュープロペラ」は、5万トンクラスの大型船に使われるサイズのもの。直径は6メートルで、重さはなんと15.3トンもあります。

太平洋戦争中に沈没し、1970年に引き揚げられた戦艦「陸奥」の主砲が展示されています。

船の科学館の敷地内には灯台も展示されており、そのうちのひとつが1879年(明治12年)に長崎県五島列島の最西端、大瀬崎に建てられた「旧大瀬崎灯台」です。灯台の一部を保存展示用に譲り受けたものです。

船の科学館の敷地内にあるプールは、2008年までは屋外遊泳プールとして営業していました。現在は「体験教室プール」として、不定期でカヌーの操船体験やセーリングカヌー乗船体験などのイベントが開催されています。

奇跡の船「宗谷」

「宗谷」は初代南極観測船として、1956年から1962年まで6次にわたる南極観測に従事した船です。約40年に渡る船歴は波瀾万丈。民間貨物船として運行した後、日本海軍の特務艦として太平洋戦争に参加。戦後は引揚船、海上保安庁の灯台補給船などの役割を経て、初代南極観測船に抜擢されます。大規模な改修をした後、計6回の南極観測の航行をしました。南極に取り残されて生き延びた「南極物語」のタロとジロのストーリーは、1957年から1958年に行われた第2次南極観測と、1958年から1959年にかけての第3次南極観測で実際にあったエピソードを基にしています。

1965年に二代目南極観測船「ふじ」にその役目を譲ってからは、海上保安庁の巡視船として海の安全を守る任務につき、流氷調査や海上保安官の教育船としての活動も行いました。1978年に退役するまで、海難救助出動では合計125隻の海難船を救助し、1000名以上の救出実績をあげました。
1979年より「船の科学館」前に係留され、保存展示されています。

宗谷乗船見学入口。入場料は無料ですが、船体を保存整備するための協力金を募っています。

見学コースを歩きます。

両舷は「バルジ」と呼ばれる二重外板構造になっています。これは、「宗谷」が南極観測船に採用されることが決まった際に、船体を改造して取り付けたものです。

順路に沿って見学していきます。

船内の各部屋は、当時の調度品がそのまま保存展示されています。この部屋は、「士官食堂」です。

「通信室」の機器。ダイヤルやスイッチのデザインなど、レトロな昭和の懐かしい感じがします。

大型のヘリコプターも離発着できる「ヘリコプター発着甲板」。第3次南極観測当時は、ヘリコプター4機と航空機1機を搭載していたとのこと。

船の操縦を行う「操舵室」にも入れます。

週末や休日など、不定期にボランティアガイドの方が説明してくれます。この方はなんと、南極観測に第1次、第2次、第3次と参加した磯貝さん。海上保安庁を定年退職した後、ボランティアとして月に1回程度こうして南極観測船についてご自身の体験を交えて伝えているそうです。

船内には、「展示室」もあり、南極観測に関する資料や映像が公開されています。

船内の部屋には、当時の服装をしたマネキンも展示されています。

「宗谷」の船内の様子は、「船の科学館」の公式サイトから見ることもできます。「360度パノラマ体験」では、普段は入れないエンジンルームなども含め、バーチャルツアーを体験できます。他にも、公式サイトには「ドローンによる空撮動画」や「電子書籍で見る宗谷」などのコンテンツ、さらに収蔵資料を検索できる「収蔵資料検索システム」もあり、豊富な情報を提供しています。

さまざまなイベントも開催中!

今回の記事執筆に際しては、「船の科学館」の学芸部学芸課 学芸係長の梶谷様、同じく学芸係の和木様にインタビュー取材などご協力いただき、大変お世話になりました。

(右から、梶谷様、和木様)

現在、船の科学館の「本館」はリニューアル準備につき展示公開休止中ですが、「別館」や「屋外展示」、「宗谷」の展示に加え、公式サイトやソーシャルメディアなどを通じた情報提供も行っています。利用できる施設スペースは限られていますが、梶谷さんたち学芸員スタッフの皆さんで様々なイベントも企画・開催しています。
体験教室プールで不定期に開催されている「カヌー操船体験教室」は子供からご年配の方も参加できる人気のイベントだそうです。他にも、音楽とファッションを融合させた「SOYA FES」というイベントでは、夕暮れ時に宗谷の船上で、海にまつわる「歌」や「衣装」といった芸術を通じて海に親しんでもらうコンサートを開催しています。
今後は、子供も楽しめるワークショップを開催するとともに、海洋生物なども身近に感じられるような新しい展示にもチャレンジしたいと抱負を語っていただきました。さまざまな展示やイベントを通じて、「海」や「船」の知識や面白さを教えてくれる船の科学館。ぜひ、ご家族で足を運んでみてください。

周辺の見どころをご紹介

潮風公園

「船の科学館」に隣接する「潮風公園」は、お台場海浜公園と東八潮緑道公園を結ぶ都立公園です。敷地面積が約154,940平方メートルもあり、その広さはなんと東京ドーム約3.3個分です。噴水広場や遊具などもあり、地元の人や観光客も訪れるほか、ジョギングやウォーキングコースとしても人気があります。

ダイバーシティ東京

「船の科学館」から「ダイバーシティ東京」までは徒歩で約10分ほど。買い物や観光のついでに立ち寄ることもできます。

その他、近隣の「日本科学未来館」や「東京みなと館」などの博物館を合わせて巡るのもおすすめです。

アクセス情報

電車利用の場合

  • 新交通「ゆりかもめ」新橋駅(17分)豊洲駅(14分)より、「船の科学館駅」下車
  • 東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」下車…徒歩約12分

車利用の場合

  • 【首都高速】首都高速湾岸線 横浜・大井・品川方面より東京港トンネル通過後「臨海副都心」出口、千葉・小菅・箱崎方面より「有明」出口、首都高速11号線…竹芝・芝浦方面より「台場」出口
  • 【一般道】臨港道路(レインボーブリッジ下層)「台場」出口

バス利用の場合

  • 都バス(「船の科学館駅前」下車)
  • [海01]…地下鉄「門前仲町駅」より「豊洲駅前」経由「東京テレポート駅前」行き
  • [波01出入]…「品川駅港南口」より「東京テレポート駅前」行き

施設詳細
名称:船の科学館
住所:東京都品川区東八潮3-1
開館時間:10:00~17:00
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、年末年始(12月28日~1月3日)
入館料:無料
公式サイト:http://www.funenokagakukan.or.jp/

ページTOPへ

「お台場・青海」周辺の関連記事

このページのTOPへ