足立美術館(島根県) 13年連続日本一!絶景に思わず息をのむ日本庭園

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突然ですが、「日本一の日本庭園」はどこにあるでしょうか?答えは、東京・京都・奈良…ではなく、島根県。同県の「足立美術館」は、アメリカの雑誌で毎年発表される「日本庭園ランキング」でなんと13年連続日本一に輝いているんです!2015年にはミシュランガイドで三ツ星も獲得。山奥にひっそりとたたずむ美術館に、いったいどんな魅力が潜んでいるのか。ぜひともこの目で確かめるべく、週末を使い東京から半日かけて、実際に行ってきました!

足立美術館はいったい何がスゴイのか?

アメリカの日本庭園専門誌、「Sukiya Living/The Journal of Japanese Gardening(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」では、毎年日本に1,000ヶ所以上ある日本庭園の中からランキングを発表しているのですが、ここ足立美術館は13年連続でナンバーワンに選ばれているんです。

さらに足立美術館は2015年、レストランのガイドブックでお馴染みのミシュランガイドの観光バージョンである「ミシュラン・グリーン・ガイド」にて、三ツ星を獲得しました。ほかに三ツ星となった場所としては、明治神宮、富士山、日光東照宮、金閣寺など、どれも日本屈指の観光地。どうやら海外からの観光客も続々と訪れているようで、期待が膨らむばかりです。

ウワサの日本庭園は島根県にあった

足立美術館があるのは島根県安来(やすぎ)市です。

新幹線なら岡山から特急で約2時間、飛行機なら出雲空港や米子空港を目指します。そこから電車でJR安来駅へ行くと、駅から美術館までシャトルバスが出ています。

今回は大阪から米子駅までバスで向かい、そこからJRで安来駅へ。米子駅は山陰地方の中でもアクセスが良く、京阪神や岡山・広島など主要都市からバスが出ています。どうしても交通費を浮かしたいなら、東京から米子行の夜行バスに乗る手もあります。

入る前から日本庭園がお出迎え

駅からバスで約20分で足立美術館に到着です。

美術館に到着すると、まず目に飛び込んでくるのは正門の隣にひっそりと広がる庭園。

「歓迎の庭」と名付けられたこの庭園は、その名の通り足立美術館を訪れた人たちをもてなすかのよう。さっそく入場券を買い、荷物をロッカーに預けたら、いざ美術館内部へ。

入口で音声ガイドを借りると、それぞれの庭園に合わせて見どころを解説してくれます。使用料は1回500円です。

個性あふれる5つの庭園

 苔庭

ゲートを抜けるとすぐに見えるのは苔庭。その名の通り、岩や土一面に苔むした姿が特徴です。山に生えていた姿をそのまま再現するため、庭園の木はあえて斜めに植えているというこだわり。

庭園の中心に細長い岩が橋のように架かっています。焦点を合わせやすいものを一つ置くだけで、風景が締まって見えるのだとか。

苔庭の奥では、木の間から五重塔が顔を出しています。実はこの五重塔、今から700年前の室町時代のもの。重要文化財級の価値を秘めていながら、風景の一部として使われているなんて、大胆すぎます。

寿立庵の庭

苔寺から進むと、飛び石が印象的な庭園が現れます。茶室と比べてずいぶんと簡素な印象を受けますが、実はこれも演出。それぞれの飛び石を山に見立てて、峠を一つずつ超えていくうちに、華やかな茶室にたどり着く。内と外、わびさびを感じるために、あえて機能的な作りをしているんですね。

提供:足立美術館

こちらは茶室「寿立庵」へと続いていて、庭園を眺めつつお抹茶をいただくこともできます。茶室内からは庭が一望できて、秋になると紅葉がいっせいに色づいた光景も見られます。

訪れたのは4月の上旬、ちょうど春が本格的に到来する時期。花も色づき始めてきました。

片隅では竹が密集して生えていて、竹林のような雰囲気を醸しています。庭園の隅では、タケノコがひょっこりと顔を出していました。

枯山水庭

足立美術館の中で一番の見どころ、枯山水庭です。枯山水とは、水を使わずに岩や砂だけで山や川を表現したもの。日本にはたくさんの枯山水がありますが、これほど大規模なものはなかなかお目にかかれません。

写真15

枯山水を端から見てみると、遠くに細長い滝が見えます。一見するとちょろちょろと流れているように見えますが、実は高さ15メートルもある滝です。ここから湧き出た水は、巡り巡って庭園へ注がれています。この滝は、鶴亀(きかく)山から湧き出るため、鶴亀の滝と呼ばれています。

後ろを振り向くと、この美術館を設立した足立全康氏の銅像が。まるで美術館を訪れたお客さんを案内しているようです。

池庭

ほかの庭園とは違い、こちらは目の前に大きく広がる池が主役。のんびり泳ぐコイが作り出す水紋を眺めるのも、オツなものです。

庭園の奥にある湧水にじっと耳をすませば、水が流れる音が聞こえています。

白砂青松庭

真っ白な砂が特徴の、足立美術館の中では最も古い庭園です。風景の中心を苔や松よりもごつごつした岩肌が陣取っていて、エネルギッシュな雰囲気があります。

松の配置や砂の蒔き方を工夫することで、風景を横長に見せているそう。

足元に見える砂の模様にも注目。水が流れているように見えて来ませんか。

庭園をもっと楽しむ!オススメの楽しみ方

ここまで足立美術館が誇る庭園の数々をご紹介してきました。ここからは、ただ眺めるだけでなく、別の角度から庭園を楽しむ方法をご紹介します。

背景も含めて庭園の景観を眺望してみよう

枯山水だけでなく、背後にそびえたつ山も一緒に見てみてください。目の前の風景がすべて庭園のような気になりませんか?ビルも看板も電柱も全くない完璧な「借景」です。美術館で山を丸ごと買い取って、景観を乱す障害物を立てられないようにしているのです。

穴から覗いて、絵画のように見てみる

ルートの途中にある古民家には、写真のように壁にぽっかりと穴が開いています。穴から庭園を覗くと、まるで額縁に入れられた絵画のように庭園を楽しめます。

茶室・喫茶店でほっこりしながら見てみる

提供:足立美術館

園内の茶室「寿楽庵」では、静かな環境でお抹茶やお茶菓子がいただけます。奥の対になった庭園の風景、実は掛け軸ではなくて窓です。あえて縦長の窓から庭園を覗くことで、「生の掛け軸」が楽しめるという粋な計らい。

提供:足立美術館

また喫茶店「翆」や「大観」では、大きな窓から目の前に広がる枯山水を見ながら軽食がいただけます。

提供:足立美術館

軽くお茶するなら翆、お腹が空いていたら食事メニューが豊富な大観がおすすめ。それぞれ見える風景が違うので、比べてみるのも楽しいですよ。

すごいのは庭園だけじゃない!日本画もすごかった。

提供:足立美術館

今回の記事では日本庭園を中心にご紹介してきましたが、足立美術館で展示されている作品は、国内に存在する日本画の中でも日本屈指のクオリティを誇ります。日本画家・横山大観や陶芸家・北王子魯山人など、誰もが一度は見聞きしている作家の作品が数多く展示されています。特に横山大観に関しては、一度に全て展示しきれないほど豊富な作品を所蔵。美術館を創立した足立全康氏が大観の猛烈なファンで、若い頃に「いつかは自分で大観の作品を手に入れてやる」と意気込んだのが絵画収集の始まりだったそうです。

新館にも足を運んでみよう

庭園や近代日本画を展示している本館とは別に、2012年に現代日本画をメインに展示する新館がオープンしました。こちらは平山郁夫、松村公嗣、松尾敏男といった現在でも活躍する日本画家の作品を多く展示していて、本館とはまた違った趣が楽しめます。本館からは地下通路で結ばれているので、雨に濡れる心配もありません。

ミュージアムショップでお土産を。感動を持ち帰ろう

提供:足立美術館

足立美術館の庭園風景は数多くのグッズにもなっており、館内のミュージアムショップで購入できます。中でもビー玉サイズのアーモンドに甘さ控えめの抹茶チョコレートをコーティングした「抹茶アーモンド」は、入荷してもすぐに完売してしまうほどの人気商品。パッケージに庭園の写真がプリントしてあるので、お土産にもぴったりです。

提供:足立美術館

本館と新館で置いてある商品が異なるので、時間が許すならどちらも立ち寄るのがオススメ。大観の作品をはじめとする近代日本画をあしらったものは本館、現代日本画のポストカードなどは新館へどうぞ。

四季折々に姿を変える庭園は、何度行っても楽しめる

足立美術館は何度でも楽しめる場所です。「庭園なんていつ見ても同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、訪れる時期によって、まったく異なる風景が拝めるんです。

提供:足立美術館

提供:足立美術館

提供:足立美術館

提供:足立美術館

足立美術館は何度でも楽しめる場所です。「庭園なんていつ見ても同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、訪れる時期によって、まったく異なる風景が拝めるんです。

足立美術館を満喫するなら泊りがけがオススメ

足立美術館の周辺には、「さぎの温泉泉」という温泉街があり、美術館から徒歩1分程のところに旅館が軒を連ねています。

足立美術館は一日では回りきれないほど見所満載なので、ゆっくり楽しみたいなら泊りがけでいくのがオススメ。ちなみに、筆者は本館・新館合わせて約5時間も滞在していました。

まとめ

様々な角度から日本庭園を鑑賞できる足立美術館、いかがでしたでしょうか。のどかな雰囲気の中で、ぼんやり緑に目をやったり、水が流れる音に耳を傾けたり、庭園に吹く風を感じたり。ぜいたくな時間を過ごしてみませんか。

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